\( a_1=2026 \)から始まる数列の旅。漸化式から\( a_{100}\)を目指せ

【問題】

絶対値つきの漸化式を扱う問題です。
ぱっと見よりは手数がかかります。

数列 \( {a_n} \) が
$$
\begin{cases}
a_1 = 2026, \\
a_{n+1} = |a_n| – n \quad (n = 1, 2, 3, \ldots)
\end{cases}
$$
で定められている。
\(a_{100}\) を求めよ。

【解答】

まずは数列の振る舞いを具体的に観察することを勧めます。
\(n=2、3、4\)なら?というところです。順に調べてみてください。
nが若いうちは、正の値をとることは容易に分かりますし、やがて負に転じることも想像できるでしょう。
そこで・・・。

1. \(a_n\) が正の値をとる場合

\(a_n > 0\) のとき、\(|a_n| = a_n\) なので、漸化式は \(a_{n+1} = a_n – n\) となる。
この関係式を用いて、\(a_n\) を \(a_1\) と \(n\) で表す。
\(a_n = a_1 – \sum_{k=1}^{n-1} k = a_1 – \frac{(n-1)n}{2}\)

この式が成り立つのは、\(a_n > 0\) である間である。
その区間を具体的に求めると、

\(a_n = 2026 – \frac{(n-1)n}{2} > 0\)
\(\frac{(n-1)n}{2} < 2026\)
\((n-1)n < 4052\)

\(n=63\) のとき、\((n-1)n = 62 \times 63 = 3906 < 4052\)
\(n=64\) のとき、\((n-1)n = 63 \times 64 = 4032 < 4052\)
\(n=65\) のとき、\((n-1)n = 64 \times 65 = 4160 > 4052\)

したがって、\(n \le 64\) のとき \(a_n\) は正の値をとる。
\(a_{64}\) の値を計算すると、
\(a_{64} = 2026 – \frac{63 \times 64}{2} = 2026 – 2016 = 10 > 0\)

次に、\(a_{65}\) の値を計算する。
\(a_{65} = |a_{64}| – 64 = |10| – 64 = 10 – 64 = -54\)
これにより、\(a_{65}\) は負の値をとることがわかる。

2. \(a_n\) が負の値をとる場合

\(a_{65} = -54\) であり、負である。
\(n \ge 65\) のとき、\(a_n\) が常に負の値をとることを示す。
\(a_{n+1} = |a_n| – n = -a_n – n \) ・・・A式
\(a_{n+2} = |a_{n+1}| – (n+1)\)
\(a_{66} = |a_{65}| – 65 = 54 – 65 = -11 < 0\)
\(a_{67} = |a_{66}| – 66 = 11 – 66 = -55 < 0\)

\(a_{n+1} < 0\) であれば、A式より
\(a_{n+2} = -a_{n+1} – (n+1) = -(-a_n – n) – (n+1) = a_n + n – n – 1 = a_n – 1\)
この関係式は、\(n \ge 65\) のとき、\(a_n\) と \(a_{n+1}\) が負であれば成り立つ。
\(a_{65}, a_{66}\) は負なので、 \(n=65\) のとき \(a_{67}=a_{65}-1\) が成り立ち、これも負である。
同様に、\(a_{66}, a_{67}\) は負なので、\(n=66\) のとき \(a_{68}=a_{66}-1\) が成り立ち、これも負である。
この関係が連鎖的に成り立つことから、すべての \(n \ge 65\) について \(a_n\) は負の値をとる。

繰り返すが、この関係式は、\(n \ge 65\) のとき常に成り立つ。
また、この式は添え字が2つ離れた項の差が一定であることを示している。
したがって、奇数番目の項 \({a_{65}, a_{67}, a_{69}, \ldots}\) と、偶数番目の項 \({a_{66}, a_{68}, a_{70}, \ldots}\) は、それぞれ公差 \(-1\) の等差数列をなすことがわかる。

3. \(a_{100}\) の計算

\(a_{100}\) は偶数番目の項であるため、偶数番目の等差数列に着目する。
この数列の初項を \(a_{66}\) とし、公差を \(d=-1\) とする。
\(a_{66}\) の値は、
\(a_{66} = |a_{65}| – 65 = |-54| – 65 = 54 – 65 = -11\)

添え字の差から公差を足す回数を数えて、
\(a_{100} = a_{66} + \left( \frac{100-66}{2} \right) \times d\)
\(a_{100} = -11 + \left( \frac{34}{2} \right) \times (-1)\)
\(a_{100} = -11 + 17 \times (-1)\)
\(a_{100} = -11 – 17\)
\(a_{100} = -28\)

よって、\(a_{100} = -28\) である。


最終的な答え
\(a_{100} = -28\)

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