ある計算をしたところ、その答に小数点を付け忘れたため、正しい答より707.4大きくなりました。正しい答はいくらでしょう。
2014 成城学園中入試より
【解答】
ある計算そのものは、それがどんな計算だったかは分かりません。分かりませんし、どうやらこの問題を解く上では関係ないもののようです。
ですので、本来答えるべきだった正答から考えを進めていきます。
本来の正答を【正答】と表し、間違ってしまった答を【誤答】と表すことにすると・・
【正答】+707.4=【誤答】
となります。問題文より【正答】は小数であり、【誤答】は整数であることが分かります。そして【正答】は小数第1位までの数であり、その末尾は6であることも分かります。つまり・・・
【正答】⇒○○○.6 (桁数は決まっている訳ではありませんが)
こんな形をしているはずです。
・・・が、この考え方ではこの先になかなか進めません。
そんなときには、「具体的な例でやってみる」ことにします。
【正答】の例として、32.6、58.6、72.6を挙げてみます。
【正答】の例 | その時の【誤答】 | 【誤答】-【正答】の値 |
32.6 | 326 | 293.4 |
58.6 | 586 | 527.4 |
72.6 | 726 | 653.4 |
何か気づいたことはありませんか?
そうですね、【誤答】はいつも【正答の】10倍。
【誤答】-【正答】の値は、【正答】の9倍になっています。
そんなわけで、この問題の答である【正答】は・・・
707.4÷9=78.6
で、得ることができます。
ところで、カンのいい人ならば、『【正答】は小数であり、【誤答】は整数であることがわかるので、【正答】は小数第1位までの数であり』といったあたりで、【正答】⇒【誤答】の過ちは、【正答】を10倍してしまった(小数点以下第1位までの数ですから、小数点を付け忘れたのならば10倍していることになります)んだなぁ、と気づくかもしれません。
その場合、
【正答】+707.4=【誤答】=10×【正答】
(10-1)【正答】=707.4
9【正答】=707.4
【正答】=707.4/9
【正答】=78.6
から、解答を得ることができます。
問題としては「位取り」の問題にあたります。
位取りはn進法を学ぶ第一歩であり、大切な概念です。
はじめのやり方で解けた人も、二つ目の考え方を身につけていきましょう。