今回のコラムでは
$$
\sum_{i=1}^{10}(i-1)2^{i-1}
$$
を考えてみたい。
“等差数列×等比数列の和” の続きを読む
彼はノートを見つめていた。
さっきまで、ただ並んでいるだけだった数字が、今は一枚の地図になっている。
「では」
ア・イ・ウ・エ
「ここからは、この地図を使って問題を解いていこう」
“足跡の記憶” の続きを読む前回、彼は一つのことを確かめた。
「0は1回、1は2回、2は4回……」
という規則は、単なる観察ではなかった。
問題文の
$$
m\le\log_2n<m+1
$$
から、
$$
2^m\le n<2^{m+1}
$$
と書き換えることで、その規則は問題文そのものから導けることが分かった。
そして、この数列は群数列として眺めることができる、ということ。
「さて」
私は彼のノートをのぞき込んだ。
前回、彼は一つの規則を見つけた。
霧は、少し薄くなったように見えた。
だが、霧の中では、見えたと思ったものほど、もう一度確かめたほうがいい。
だから、もう一度地図を見る。
数学も、それは同じだった。
彼のノートには、こんなメモが残っている。
| 数字 | 0 | 1 | 2 | 3 |
| 続く個数 | 1 | 2 | 4 | 8 |
「どうも、2の累乗個ずつ続いているみたいです」
彼はそう言った。
確かに、そのように見える。
しかし、私は一つだけ確認したかった。
「今のは、何をした結果かな」
“霧は晴れたか?” の続きを読む
数学の問題を見たとき、
「何から手をつければいいのか分からない」
そう感じた経験はないだろうか。
先日、塾で一つの問題に取り組んだ。
その問題は、こんなものだった。
自然数 \(n\) に対して、
$$
m\le \log_2 n<m+1
$$
を満たす整数 \(m\) を \(a_n\) で表す。
このとき、
$$
a_{2020}=ア
$$
である。
また、自然数 \(k\) に対して、
$$
a_n=k
$$
を満たす \(n\) は、全部で イ 個あり、そのような \(n\) のうち最大のものは
$$
n=ウ
$$
である。
さらに、
$$
\sum_{n=1}^{2020}a_n=エ
$$
である。
ア、イ、ウ、エを求めよ。
“霧を行く” の続きを読む
夕暮れが近づくと、教室の隅に長い西日が差し込んできた。
私の主宰する小さな塾に通う中学生の少女が、シャープペンシルを握ったまま、じっと手元を見つめている。
机の上にある、一枚のプリント。
そこには、二つの金魚鉢と、それを一つに合わせた大きな水槽のイラストが描かれていた。
文字を使った式を習ったころのことを、いまでも少し覚えている。
最初に学ぶのは、書き方の約束だった。
$$
3\times a=3a
$$
$$
x\times y=xy
$$
掛け算の記号を省く。
ただ、それだけのことだった。
「いま、確率の問題を解いているんですけど」
そう言って、彼女はノートをこちらへ向けた。
そこには、こんな問題が書かれていた。
20本のくじがあり、そのうち5本が当たりである。
a、bがこの順に1本ずつくじを引く。
ただし、引いたくじは戻さない。
問1 aが当たりを引く確率を求めよ。
問2 bが当たりを引く確率を求めよ。
問3 aもbも当たりを引く確率を求めよ。
「先生、この問題なんですけど」
そう言って、男子生徒がノートをこちらへ向けた。
$$
a_{n+1}=\sqrt{a_n+3}-1,\qquad a_0=0
$$
このとき、
$$
\lim_{n\to\infty}a_n
$$
を求めよ、という問題だった。
“遠くを見る目と、細かく見る目” の続きを読む
\( \sqrt{2} \) なら、概数を知っている人も多いかもしれない。
有名な語呂合わせがある。
人夜人夜に人見頃。
漢字で書く機会はあまりない。
けれど、音の並びとしてなら、多くの人の記憶に残っている。
$$
1.41421356
$$
この数を二乗すると、ほとんど2になる。
実際、
$$
1.41421356 \times 1.41421356 = 1.999999993287874
$$
である。
“見知らぬ小数” の続きを読む