方程式は便利だけれど

【問題】

千里さんは高校の入学試験を受けました。
テストは2日間にわたり行われましたが、いずれの日も試験は午後3時に終わるので、両日とも千里さんのお父さんは、午後3時に会場に着くように家から車で迎えに行くことにしました。

1日目は、千里さんは午後3時に試験を終え、家に帰りました。
2日目は、千里さんの得意科目だったので、午後2時15分に答案を出して、教室を出ました。
千里さんは教室を出るとすぐに家に向かって歩き始めました。すると途中で迎えに来たお父さんの車と出会ったので、そこで千里さんは車に乗せてもらい家に帰りました。到着した時刻を確認すると、昨日より10分早く家に帰っていました。

では、2日目の千里さんが迎えの車に出会ったのは(乗ったのは)何時何分だったでしょうか?
また、お父さんの車の速度は、千里さんの歩く速度の何倍だったでしょうか。

国家公務員2種・改題

【解答】

まずは、この時の状況を図にしてみます。
図にすれば、関係・関連が分りやすくなりますね。
その上で方程式を立てよう、という作戦です。

1日目

分らない数値が多すぎます。千里さんの歩いている部分に関しては、ごちゃぎちゃしすぎるので書き込んでいませんが、いずれにせよ、与えられている情報が少なすぎて、全ての未知数を決定するのは難しい様子です。

・・と、千里さんの動きから見ると、わけが分らないことになってしまいます。
使い方を覚えると、方程式を立てて問題を解く方法は、ある種の魔法の杖のように思えるのですが、この状況は、方程式を立てるに至らない・・そんな状況です。関係式だけを導いておいて、数値を仮置きして考えてみましょうか・・。

! ですが、これ、お父さんの動きから見ると、とてもシンプルな表現になります。

2日目

お父さんは、両日とも「15時に試験会場に着くつもり」で家を出ます。
おんなじ時刻に出かけるわけですね。

1日目、お父さんは試験会場まで片道x(分)で向かい、そこで千里さんを乗せて、帰りもx(分)で家に帰ったとします。往復ならば・・2x(分)ですね。

2日目も、お父さんは「15時に試験会場に着くつもり」で家を出ます。
ですが、会場に着く前に歩いている千里さんに出会うわけです。そこで千里さんを車に乗せて家に帰ると、1日目よりも10分早く家に着いていたということになります。
千里さんと途中で出会ったので、本来は行くべきだった片道何分かが省略でき、同じく、試験会場から出会った地点までの復路分の何分かも省略できたわけです。この往復で省略できた分が、家に早く帰ることができた10分に相当するのですから、片道では5分省略できたことになります。

さて、もともとお父さんは、「15時に試験会場に着くつもり」だったのですから、千里さんに出会ったのは、その5分前だったということですね。

ですので、千里さんが迎えの車に出会ったのは、14時55分だった、ということです。

とすると、千里さんは、お父さんと出会うまでに、40分間歩いていた計算になります。
千里さんが40分かかって歩く距離を、お父さんの車なら5分で行けるわけですから、お父さんの車の速度は、千里さんの歩く速度の8倍、ということになりますね。

こうしてみると、1日目の状況の作図は、『お父さんは、両日とも「15時に試験会場に着くつもり」だった』という視点に欠けるものだった、ということもわかります。

 

千里さんが迎えの車に出会ったのは、14時55分
お父さんの車の速度は、千里さんの歩く速度の8倍

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