リーグ戦とトーナメント戦の試合数のお話

まだまだ寒い日が続きますが、それでもプロ野球ではキャンプが始まるなど春へ向けた動きも出始めています。
そんなこともあって、本日はスポーツでよくある、リーグ戦とトーナメント戦について、それぞれ試合数がどうなるのかを調べてみましょう。

まずはリーグ戦について。
とりあえず・・5チームによるリーグ戦を考えてみましょう。各チームが1回ずつの総当たりで試合を行う大会があったとして、大会の全試合数は何試合になるでしょうか?

チームを区別するため、大会に参加するチームに名前をつけておきましょう。
A、B、C、D、Eの5チーム、としておきます。

問題を分かりやすくとらえるため、まず、Aチームが自分たちの試合を全て行ってしまうことにします。AチームはB、C、D、Eの4チームと試合を行いますね。
つまり、4試合を戦います。5チームが集まって、自分たち以外の4チームと試合をすることになるから、4試合。というわけです。

次にBチームが対戦をすべてこなしてしまうことにします。Bチームの対戦相手は、A、C、D、Eの4チームになりますが、このうちのAチームとの対戦は既に終わっていますので、Bチームは連続3試合をこなして大会を終えることになります。

次のCチームは同様に考えると、2試合。その次のDチームは1試合。最後のEチームは、A~Dの対戦相手としてこなしているうちに総当たりを終えてしまっているので0試合と考えることとします。

まとめます。
Aチーム:4試合
Bチーム:3試合
Cチーム:2試合
Dチーム:1試合
Eチーム:0試合

大会全体の試合数は、
4+3+2+1+0=10 より
10試合、ということになります。

この大会は5チームによるリーグ戦だったことを考えると、大会の全試合数は・・
(5-1)+(5-2)+(5-3)+(5-4)+(5-5)=4+3+2+1+0=10
として、求めることができた、といえそうです。

一般にnチームによるリーグ戦の試合数は・・・
(n-1)+(n-2)+・・・+{n-(n-1)} +{n-(n)}
で、求めることができます。この式の終わりの方は、実のところ、
+3+2+1+0 となりますから、より分かりやすく記すと、
(n-1)+(n-2)+・・・+2+1
となります。

言葉で記すと、nチームによるリーグ戦の全試合数は、1からn-1までを足した数になる、ということになります。

ついでですから、1からn-1までを足すという計算について考えてみましょう。
n=10なら、1~9まで足すと?ってことですし、n=100なら、1~99まで足すと?ってことであります。

S=(n-1)+(n-2)+・・・+2+1 とします。

右辺の足し算の順番を入れかえてみます。つまり・・

S=1+2+・・・+ (n-2)+ (n-1)

順番を入れかえただけです。
さて、もとの式と順番を入れかえた式で、両辺をそれぞれ足し合わせてみましょう。
右辺では(n-1)と1が、(n-2)と2が、足されていきます。最後の項は1と(n-1)が足されて終わることになります。どうなっているでしょう?

2S=n+n+・・・n+n

右辺はnばかりを足し合わせた状態になりますね。・・で、このnはいったい何個あるんでしょうか?・・・
そう、n-1個あるんですね。
つまり!

2S=n(n-1)

が成り立ちます。よって・・

S=n(n-1)/2

が言えます。

例題の5チームによるリーグ戦の場合ですと、n=5ですから、

S=5(5-1)/2=10

として求めることができます。

ところで、5チームによるリーグ戦の試合数は、こんな風に考えることもできます。
Aチームは自チーム以外の4チームと試合をするので4試合(A対B、A対C、A対D、A対E)
Bチームも自チーム以外の4チームと試合をするので4試合(B対A、B対C、B対D、B対E)。
・・・
Eチームまで5チームすべてが自分たち以外の4チームと試合をすることになるので、

4×5=20

ところが、例えばA対BはB対Aでもあり、2度数えていることが分ります。そして、これはすべての対戦についていえることでもあります。
そんなわけで、

4×5/2=10

と考えることができます。
当たり前と言えば当たり前ですが、試合数を求める最後の式の形は、最初の考え方と同じになっていますね。

さてさて、トーナメント戦の全試合数はどうなるんでしょう?
じつはこれ、トーナメント戦の成り立ちを考えると、実にあっさりと求めることができます。
トーナメント戦は、負けたら終わりです。つまり1度負けたチームは、その負けが1回戦であれ2回戦であれ決勝戦であれ、そこで大会から姿を消すことになります。
そのように考えると、nチームによるトーナメント戦では、n-1チームの敗者が決まれば良いわけですから、試合数はn-1となります。
ですので、5チームによるトーナメント戦なら4試合、100チームによるトーナメント戦なら99試合が大会の総試合数になります。これはトーナメント戦の山の形によりません。
関心のある方は、トーナメント表をかいて調べてみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Top お電話はお気軽に