高校数学で、まま悩みの種になる「条件付き確率」について考えてみます。
【問題】
10本のくじがあり、そのうち3本が当たりである。
まず、Aがくじを引き、その後Bがくじを引く。
引いたくじは戻さないものとして、以下の問いに答えよ。
Bが当たったとき、Aが外れていた確率は?
【解答】
まず、計算で求めてみましょう。
事象Aとして・・Bが当たりを引くこと
事象Bとして・・Aが外れを引くこと
とします。
事象Aが起こったときの事象Bの起こる条件付き確率をPa(B)で表すとすると・・
Pa(B)=P(A∧B)/P(A)
で求められます。
P(A∧B)=7/10×3/9=7/30
P(A)=3/10
ですから、
Pa(B)=7/30÷3/10=7/30×10/3=7/9
となります。
ここで戸惑うことが多いのは、くじを引くのはAが先なのに・・という思いがするからでしょう。つまり、
事象A:Aが外れを引くこと
事象B:Bが当たりを引くこと
と、時系列に並べて考えたくなります。ところが、この考え方は設問に沿いません。
設問を意訳すると・・・
Aは先にくじを引くけれどその当たり外れは判定せず、Bがくじを引く。
そのBのくじが当たりだったときを全事象として、Aのくじが外れていた確率を求めよ。
ということになります。
変な話(設定ですけど)Bが当たりだったら、そこで初めてAのくじの当たり外れを調べよう、ということです。さて、そのとき、Aのくじが外れと出る確率は?という問題です。
それでも、まだわかりづらい・・。そうかもしれません。
そんな時は・・式で考えて辛いときには、図を描いてみる作戦が効果的です。

この設問の状況をベン図に表すと上記の通りです。
くじの引き方は全部で、10×9=90で、これが全事象(数)になります。
A、Bがともに当たるのは、3×2=6通り
Aが当たるのは、3×9=27通り
Bが当たるのは、3×9=27通り
A、Bともに外れるのは、7×6=42通り
これで全てです。
問題文を素直に読むと・・
Bが当たったとき、Aが外れていた確率は? ですから
Bが当たったとき・・全部で27通り
(そのとき)Aが外れていたのは・・21通り
よって・・
求める確率は・・
21/27=7/9
となります。
この方が直感的にとらえられますね。
条件付き確率を考える際には、図にしてみると分かりやすいです。