少しずつ前進すれば大丈夫

【問題】 整数nの各位の数字の和を[n]で表します。

例えば、[35]=3+5=8、[602]=6+0+2=8です。
次の問いに答えなさい。

(1) [1192] を求めなさい。

(2) A+[A]=100 にあてはまる数Aを求めなさい。

(3) B+[B]=2014 にあてはまる数Bをすべて求めなさい。

2014 鎌倉学園入試より

【解答】

(1)
[1192]=1+1+9+2=13

これは素直にルールにのっとて計算すれば良いだけですね。

(2)
整数Aによって、A+[A]がどのようになるのか、イメージをつかむために、試算してみましょう。

A=10のとき A+[A]=10+1+0=11
A=99のとき A+[A]=99+9+9=117

なんとなくAを2桁の数字としましたが、こんな感じの計算になります。
A=99が求める答に近いので、あたりをつけて、A=80あたりで試算してみます。

A=80のとき A+[A]=80+8+0=88
Aはもう少し大きな数字のようです。

A=85のとき A+[A]=85+8+5=98
惜しい!もう少し大きな数字を入れてみます。

A=86のとき A+[A]=86+8+6=100
できました!

Aは86 です。これが答になります。

(3)
(2)のA+[A]=100に比べて、今度はB+[B]=2014とより大きな数が対象です。(2)のようにあたりをつけるやり方では、少々手間がかかりそうですね。それによく問題を読むと、「数Bをすべて求めなさい」とありますから、答となるBはいくつかあるようです。あたり作戦では、解けないことはないにしても苦戦は必至です。

そこで一般化を図ってみましょう。文字式を使うやり方ですね。

まず数Bを2桁の数としてみましょう。あ、この2桁というのには根拠はないので、あたり作戦です。あしからず。

さて、数Bが仮に15であれば、これは1×10+5と表すことができます。37であれば、3×10+7。
そこで、見た目がcd(シーじゅうディー)という形をしている2桁の数を

c×10+d

と記します。
すると、

B+[B]=10c+d+c+d=11c+2d

と表せます。
次に考えることは、方程式になるのですが・・

11c+2d=2014

となる、cとdを求めることになります。
未知数が2つある(cとd)にもかかわらず、方程式は1つしか立てられません。
これでは、方程式を解くことはできませんね(未知数の数と同じ数だけ方程式が必要です)。
ただし、今回の問題では、cは1~9の整数、dは0~9の整数であることが条件に使えますから、この条件を使えば、cとdの値を求めることができるかもしれません。・・・が、残念。11c+2dの最大値はc=9、d=9のときで、117にしかなりません。

c=9、d=9 すなわちB=99のとき
99+[99]=99+9+9=117

2桁ではダメでした。ではBが3桁ならどうでしょう。
このときBの見た目はbcdという形をしているとして・・・。

B+[B]=100b+10c+d+b+c+d=101b+11c+2d

となります。今度は先に3桁の場合のB+[B]の最大値を求めておきましょう。

b=9、c=9、d=9 すなわちB=999のとき
999+[999]=999+9+9+9=1026

Bを3桁とあたりをつけましたが、それでもB+[B]の最大値は1026にしかならず、目標の2014に届きません。
4桁ならどうでしょう・・。
4桁の数Bの見た目はabcdという形をしています。

B+[B]=1000a+100b+10c+d+a+b+c+d=1001a+101b+11c+2d

となります。4桁の場合のB+[B]の最大値は

a=9、b=9、c=9、d=9 すなわちB=9999のとき
9999+[9999]=9999+9+9+9+9=10035

やっと目標である2014よりも大きな数字を得ることができました。
Bは4桁の数であることが、これで確かになりました。
では、あらためて式にしてみます。

1001a+101b+11c+2d=2014

すでに述べたように、aは1~9。b、c、dは0~9の整数として、この方程式を解いていきます。

aが1か2であることは自明ですので説明は省きまして、a=2の場合から検証します。

a=2のとき

1001×2+101b+11c+2d=2014
101b+11c+2d=12

bは0以外の値をとることができません。
ですから

11c+2d=12

を考えます。c=1では、dが条件にあいません。
c=0のとき、d=6は条件を満たします。
cが2以上になることは・・、ありませんね。

したがって、a=2のとき

b=0
c=0
d=6

よって、答の1つめは2006です。検算はおまかせします。

次に、a=1のときを調べます。

1001×1+101b+11c+2d=2014
101b+11c+2d=1013

Bが3桁のときのB+[B]の最大値は1026でしたから、bが大きな数字の場合を調べた方がよさそうです。

b=9のとき

101×9+11c+2d=1013
11c+2d=104

c=9ではdが条件に合いません。
c=8のとき、d=8で、これは条件に合致します。
c=7のとき

2d=104-77=27
d=13.5

dは条件に合いませんし、cがこれ以上小さくなると、dが0~9という条件を満たせなくなることもわかります。

よって、a=1のとき

b=9
c=8
d=8

調べるべき候補は、これですべて調べたことになります
まとめると・・

答 Bは2006、1988

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Top お電話はお気軽に