【問題】
x>0のとき、x+9/(x+2) の最小値を求めよ。
【解答】
微分法を覚えてしまうと、それを使うのが簡単そうです。
分かりみが早い、という感じでしょうか・・。
与式をf(x)とおきます。
f(x)=x+9/(x+2)
これを微分すると・・
f'(x)=1-9/{(x+2)^2}
f'(x)=0を解くと・・
9/{(x+2)^2}=1
9=(x+2)^2
x+2=±3
∴x=1,-5
ただしx>0より、
x=1 を得ます。
増減表にしてみます。
x | (0) | … | 1 | … |
f'(x) | (-5/4) | - | 0 | + |
f(x) | (9/2) | ↓ | 4 | ↑ |
x>0の範囲で、x=1のとき最小値4をとる。
・・となります。
で、この問題、微分法に拠らず解くとなると、相加平均・相乗平均の特性を利用して解くことを考えそうです。
a>0、b>0 のとき、 a+b≧2√(ab) というやつですね。
これをこの問いに素直に適用すると・・
x+9/(x+2) ≧2√{ x・ 9/(x+2) }
となるわけですが・・ x・ 9/(x+2) のところがすっきりしません。というよりも、何の意味もなしていないような・・。
困りました。・・・。
よく式の形を見てみましょう。
・・こうだったら良いのになぁ、と思える箇所はないですか?
! x・ 9/(x+2) のxがx+2だったら良いのに、と思いませんか?
そんな都合よく考えて・・、と否定しないでください。
とりあえず都合よく考えてみる、というのは大事な姿勢です。
やってみましょう。xがx+2だったらバージョンです。
問題はこう書き換えられます。
x>0のとき、(x+2)+9/(x+2) の最小値を求めよ。
これならば・・
(x+2)+9/(x+2) ≧2√{ (x+2)・ 9/(x+2)}=6
すなわち、 (x+2)+9/(x+2) ≧6 です。
等号成立は (x+2) =9/(x+2)のとき、すなわちx=1のとき(x>0)です。
ところで、この式、問題のそれと比べて何が違うのか?
そう、左辺に+2されているところが違います。
ですので、ここでつじつまを合わせましょう。
両辺から2を引きます。すると・・
x+9/(x+2) ≧6-2=4
そう、与式の最小値は4だと求めることができたのでした。
等号成立は、x=1の時となります。
都合よく考えて、あとでつじつまを合わせる・・
良いのかなぁ、と思いがちですが、つじつまが合うのならOK。