変化の割合が-3で、点(5,-2)を通るような直線の方程式を求めなさい。
中学校の授業では、このように習うようです。
直線を表す方程式はa、bを定数として、一般に
y=ax+b
で表すことができる。
この定数値a、bの値を具体的に求めれば方程式を得ることができ、それが本問の解答となる。
この式に、点(5,-2)に相当するx=5、y=-2を代入すると、
-2=5a+b
を得る。
いま、問題に与えられた条件により、変化の割合、すなわちaの値は
a=-3
であるから、
-2=5×(-3)+b となり、以下これからbの値を求めて
-2=-15+b
b=13
あらためて
a=-3
b=13
よって、求める方程式は
y=-3x+13
一方、当塾では、こんな考え方も勧めています。
直線の方程式を
y=ax+b
ではなく
y-n=a(x-m)
とおいてみよう、というものです。
aは変化の割合を表す定数、m,nは、直線が通る点の座標(m,n)のx座標mとy座標nです。
本問の数値を代入してみます。
y+2=-3(x-5)
となります。
展開すれば、もちろんy=-3x+13になります。
が、その前に方程式の意味するところを見てみましょう。
右辺の -3(x… の部分から、xの係数は-3、つまり
変化の割合が-3
となることが示されているのが分かります。
また、この直線が通るという(5,-2)という座標をx、yに代入すると、
左辺=右辺(0=0となりますね)
となり等号が成り立つことから、この直線が(5,-2)を通ることが分かります。
これ『変化の割合が-3であって、点(5,-2)を通る直線』を表す方程式を、言葉のままに示した式です。なので、これでOKです。
※ほかにyがxの1次式で表されている⇒直線の方程式、という表明が必要かもしれませんが。
ところが、中学校では、当塾法はひとまず使わないでおきましょう、ということになっているようです。
おそらくは、初めて扱う直線の方程式ですから(通常、中2で習います)、
なにしろ
y=ax+b
という一般的な形と、
aは変化の割合、傾き
bはy切片
という用語の意味やグラフにしたときにaやbがどこに現れるのかを身につけてくれ、という目的があるんだろうと思います。
そこから、y=ax+bをグラフにすると、y=ax(比例の方程式。中1で習います)をy軸正の方向へbだけ平行移動させたものになるよ、なんて話につながるわけです。
ただ、これもモノの見方の問題で、y-n=a(x-m)と表せば、y=axのグラフをy軸正の方向へnだけ、x軸正の方向へmだけ平行移動させたものになる、と読めます。
※平行移動、って縦(y軸方向)だけとは限らないというか、見方次第で横(x軸方向)にずれたと見ることもできますよね。いや、むしろ、そうも見えて欲しいって感じです。
つまるところ、ここに解説したように、ある程度すらすらと式を読めるのであれば、
y-n=a(x-m)
と記してもOKなんだと思う次第です。
・・私としては、構造が簡単なうちから、式を読む練習をしても良いのになぁ、と思うんですけどね。高校生になると、当たり前のように求められる技能でもあるので、どこかで訓練はしないとね。
おまけ
y-n=a(x-m)を展開してみましょう。
y=ax-(am-n)
a,m,nはいずれも定数ですから、am-nもまた定数です。
これをまとめて定数b’とでも記せば、
y=ax-b’
どうせ定数なんですから
-b’=b とすることにすると
y=ax+b です。
ね、同じ式にになるでしょう?
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