【問題】
5で割ると3あまり、7で割ると6あまるような整数を求めなさい。
【解答】
まずはできることをやってみましょう。そう、手を動かす、です。
5で割って3あまる整数の例:3、8、13、18、23、28、・・・
7で割って6あまる整数の例:6、13、20、27、35・・・
両方に共通するのは、13です。ですので、この問題の答の一つは13となります。
では、13以外には整数Nの候補はないのでしょうか?
5で割って3あまる整数は、例から分かるように5おきに現れます。
一方、7で割って6あまる整数は、7おきに現れます。
であれば、5と7の最小公倍数である35おきに、また2つの条件を満たしてくれる整数が現れると考えられないでしょうか?
試してみましょう。13が答でしたのでこれに35を足します。
13+35=48
48÷5=9あまり3
48÷7=6あまり6
条件を満たしていますね。その次は83、そのまた次は、118となります。ですので、これらもまた、【問題】に対する正答であります。
中学生になれば、文字式を習い始めます。するとこの問題は、求めるべき整数をNとすると・・・
N=35n-22 ただしnは整数
と表せます(あるいはN=35n+13でもOKですね)。nに何かの整数を代入すれば、求めるべきNを得ることができます。
Nがマイナスの整数であっても、たとえばN=-22(注:N=35n-22にn=0を代入)なら、
-22=5×(-5)+3
-22=7×(-4)+6
と表せますから、条件を満たす整数であることが分かります。
N=13、48、83、118、・・・と書いていた答を
N=35n-22 のように表すことを一般化する、と言います。
このような形にすれば、Nが35おきに現れることも見てとれますし、Nが無限に存在することも分かります(nに代入する整数は無限にありますから)。もちろん、先に例示したように、Nはマイナスでも良いのではないか、という疑問にも答えてくれるわけです。
この一般化する、という作業が算数と数学の大きな違いの一つかな、と思います。
さて、ここで宿題を差し上げておきます。
3で割ると1あまり、6で割ると5あまるような整数はあるでしょうか?
あるならば、これを一般式の形で示してください。ないのであれば、ないことを証明してください。