公式をつくってみよう

【問題】

2014のすべての約数の和を求めなさい

2014 穎明館中入試より

【解答】

なにはともあれ、2014の約数を求めることから始めましょう。
2014を素因数分解します。

2014=2×19×53

19を見つけ出すまでに苦労しますが、これは仕方がありません。
幸いなことに見つけてしまえば、2014の素因数は3つでした。
これから約数を挙げていきます。

1、2、19、38、53、106、1007、2014

約数を8つ挙げることができます。
果たしてこれで全部でしょうか?
表を作って確認してみます。

$$\underline{53^0の場合}$$ $$19^0$$ $$19^1$$
$$2^0$$ $$1$$ $$19$$
$$2^1$$ $$2$$ $$38$$
$$\underline{53^1の場合}$$ $$19^0$$ $$19^1$$
$$2^0$$ $$53$$ $$1007$$
$$2^1$$ $$106$$ $$2014$$

素因数の組み合わせは、この8通りですべてであることが分ります。
ですから

1、2、19、38、53、106、1007、2014

を全て足し合わせてやると、解答を得ます。

1+2+19+38+53+106+1007+2014=3240

これが答です。

ところで、この式は・・

2^0×19^0×53^0 +2^1×19^0×53^0
+2^0×19^1×53^0 +2^1×19^1×53^0
+2^0×19^0×53^1 +2^1×19^0×53^1
+2^0×19^1×53^1 +2^1×19^1×53^1

という形になっています。
これを変形してやると・・・

(2^0+2^1)×(19^0+19^1)×(53^0+53^1

という式が導けます。分配法則の逆を使った因数分解ですね。
計算してみましょう。

(2^0+2^1)×(19^0+19^1)×(53^0+53^1)
=(1+2)×(1+19)×(1+53)
=3×20×54
=3240

一般にある整数nが

$$n=p^a×q^b×r^c×・・・$$

と素因数分解できるとき、約数の和Snは、

$$Sn=(1+p+p^2+・・+p^a)×(1+q+q^2+・・+q^b)×(1+r+r^2+・・+r^c)×・・・$$

となります。

整数nを6、7、8、16、18 などと簡単な数に置いてみて、その素因数分解の結果と約数の足し算をじっくり調べてみると、証明はできないまでも、こんな風になりそうだな、と見つけることができます。いわば、自分だけのとりあえず公式です。
例えば、今回の例題に、374なら?518なら?10024なら?と類題が続いていたりしたら、この自分だけ公式を使わない手はないでしょう。態度として数学的な是非は問われそうですが、試験など限られた時間で解かねばならないとなれば・・、と思う次第です。

※上記の公式は証明済みのものです。
※とりあえず公式で試験はしのいだとしても、時間が出来たときに本来の是非は確認するようにしましょう。

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