【解答】
【問題2】は以下の通りでした。
あるとき、王様が息子である王子たちにダイヤを分けることにしました。その分け方は・・・
「1人目は、全体の 1/7 と 1 個を取れ。
2 人目は、残りの 1/7 と 2 個を取れ。
3 人目は、残りの 1/7 と 3 個を取れ。
以下最後の1人まで、同様にせよ。」というものでした。この分け方通りにしたところ、最後の王子が取り終ったところで、用意していたダイヤがちょうど無くなりました。
用意していたダイヤの個数と、王子の人数を求めてください。
最初にあったダイヤの数をNとします。
また、次のように定めます。
$$a_n:n番目の王子がダイヤを取り始めるときのダイヤの数$$
$$b_n:n番目の王子がダイヤを取り終ったときに、残ったダイヤの数$$
ややこしい言い方ですが、a[n]=b[n-1]の関係になっています。
このとき
$$a_n=\frac{6}{7}b_{n-2}-(n-1)$$
$$b_n=\frac{6}{7}b_{n-1}-n$$
まず、いつか現れるb[n]=0についてしらべます。
$$b_n=\frac{6}{7}b_{n-1}-n で、b_n=0を考えると$$
$$n=\frac{6}{7}b_{n-1}$$
ここでb[n-1]は7の倍数ですから、これを7pとおいて、
$$n=6p$$
したがって、nは6の倍数でなければなりません。
nは6の倍数。6,12,18,24,・・・
次に勝手ではありますが、問題文に1つ条件を加えることにします。
・加える条件:1番目の王子と2番目の王子が同じ数だけダイヤを取る
すると・・・
$$1番目の王子が取るダイヤの数:\frac{N}{7}-1$$
$$2番目の王子が取るダイヤの数:\frac{1}{7}(\frac{6N}{7}+1)+2$$
これらが等しい(ことにした)ので・・
$$\frac{N}{7}-1=\frac{1}{7}(\frac{6N}{7}+1)+2$$
これをNについて解けば、N=42を得ます。
これは勝手に付け加えた条件ですので、N=42のときの実際を調べてみます。
n | a[n] | n番目の王子が取るダイヤの数 | 残る数 |
1 | 42 | 7 | 35 |
2 | 35 | 7 | 28 |
3 | 28 | 7 | 21 |
4 | 21 | 7 | 14 |
5 | 14 | 7 | 7 |
6 | 7 | 7 | 0 |
N=42が題意を満たすことが分りました(ちなみにこのときのn=6も調べた条件にあっています)。
ただしこれは、勝手に付け加えた条件下のものであり、いわば特殊な場合を見つけたにすぎません。
他のパターンがないか、それを調べることにします。
ここで
$$c_n=a_n-b_n$$
を考えます。c[n]はn番目の王子が取ったダイヤの数を表しています。
ところで、a[n]は7の倍数であり、b[n]もまた7の倍数ですから、
$$a_n=7A、b_n=7B$$
と記すことができます。すると・・
$$c_n=7A-7B=7(A-B)$$
から、c[n]もまた7の倍数であることが分ります。
一方、
$$a_n=\frac{6}{7}b_{n-2}-(n-1)$$
$$b_n=\frac{6}{7}b_{n-1}-n$$
でしたから、
$$c_n=\frac{6}{7}(b_{n-2}-b_{n-1})+1$$
を得ます。
左辺のc[n]は7の倍数でした。右辺のb[n-2]-b[n-1]も7倍数です。
そこで、
$$c_n=7C、b_{n-2}-b_{n-1}=7K$$
とおくと、
$$7C=\frac{6}{7}×7K+1$$
よって、
$$7C=6K+1$$
と記すことができます。
CもKも整数です。
C=1、K=1 ⇒ c[n]=7、b[n-2]-b[n-1]=7
C=7、K=8 ⇒ c[n]=49、b[n-2]-b[n-1]=56
C=13、K=15 ⇒ c[n]=91、b[n-2]-b[n-1]=105
などが成立しますし、組み合わせは無数にあります。
ただ、いずれの場合もc[n]は、nの値に関係なく定数をとることが分りました。
c[n]は、n番目の王子が取るダイヤの個数のことでしたから、
王子たちは、何番目に取ろうが、みんなが同じ数を取るというわけです。
その数は、7かもしれませんし、49かもしれませんし、91かも・・という状況です。
次に、b[n-2]-b[n-1]に着目しましょう。
これは、(n-2)番目の王子が取った後に残った個数 から、
(n-1)番目の王子が取った後に残った個数 を引いたものです。
この2人は連続していることに注意です。
先ほどまでの論で、全員が同じ数(それがいくつなのかはわかりませんが)を取ることは判明していますので、
$$c_n=b_{n-2}-b_{n-1}$$
が成立していなければなりません。
よって、
C=1、K=1 ⇒ c[n]=7、b[n-2]-b[n-1]=7
のときだけが、題意にかなうことになります。
長くなっておりますが、もう少しです。
ここまでで、
n人の王子が、全員7個ずつダイヤを取ること
n人は、6人、12人、18人、・・と6の倍数人であること
が確実になっています。
n=6 のとき、これは先ほどの特殊解の場合で、N=42でした。
次の候補は、n=12 の時になりますが、このときNは、
$$N=7×12=84$$
となります。
ところで、最初に84個のダイヤがあったとすると、1人目の王子は・・・
$$\frac{84}{7}+1=13$$
と、13個のダイヤを取ることになります。
王子が1人7個ずつとれば、問題の条件が成立するのですから、ここ(1人目)で13個を取ってしまっては、題意にそぐわなくなります。
この先、nが増え、結果Nが大きくなると、同様に題意にそぐいません。
以上から、王子の数:n=6人、ダイヤの数:N=42個 を確定することが出来ました。