【問題】
列車が550mの鉄橋を渡り始めてから渡り終るまでに30秒かかりました。
また、この列車が660mのトンネルに入り終ってから出始めるまでに20秒かかりました。
列車の長さと速さをそれぞれ求めなさい。
【解答】
まずは、求めるものを確認しておきましょう。
ひとつは列車の長さ。何両かの列車がつながれているはずですが、その全体の長さを求めます(まったくの余談ですが、1車両はだいたい18m前後というのが相場のようです)。
ま、余談はさておき、長さを答えることになりますが、文中で扱われている単位からメートルで答えることにしましょう。
もうひとつは、列車の速さです。問題文でとくに触れられていませんが、列車は同じ速度で走っているものとして考えます。
速さということで、問題文中にある単位からm/s(秒速メートル)で答えることにしましょう。
これらを確認した上で、もう一度問題文を読んでみましょう。
そして、数値関係を式で表すことを考えてみます。
ささっと出来てしまう人は、いきなり立式してかまいませんが、そうでない人は図を描いてみます。
こんな感じ。
まずは、列車と鉄橋、列車とトンネルの位置関係を正確に捉えることが大事です。
数学というよりは国語の問題です。
渡り始め、渡り終り
入り終り、出始め
を正しく図に落とし込みましょう。分かりづらい人は、自分が列車の先頭に乗っているとか、最後尾に乗っているとか、そんな風に考えてみると良いかと思います。
次に分かっている事がら(数値など)を図に加えていきます。
こんな図が描けますね。問題文にある数値をすべて使うように心がけてください。この問題の場合、○秒後を図でどう表現するかが難しいかもしれません。
さて、このあたりで少し考えてみましょう。
何か分かってきたことはありますか?
鉄橋の図からは、「鉄橋の長さ+列車の長さ」を進むのに30秒かかる
トンネルの図からは、「トンネルの長さ-列車の長さ」を進むのに20秒かかる
ことが分ります。
この関係を式で表せたら・・・
一応図にしてみましょうか。
列車の長さを、xメートル
列車の速さを、秒速yメートル
としてみましょう。
どうでしょう?
鉄橋の状況からは・・・
$$y=\frac{550+x}{30}$$
トンネルの状況からは・・・
$$y=\frac{660-x}{20}$$
という式を立てることができます。
左辺はどちらもy。秒速を求める式として立式しています。
そして、これ、連立方程式ですね。
あとは、xとyをそれぞれ求めるだけ。
これを解くと・・
$$x=176$$
$$y=24.2$$
を得ます。
従いまして、答は・・・
列車の長さは176m。
列車の速さは、秒速24.2m。
だいたい8~10両編成の列車なんですかね・・。こんなに車両をつないだ編成は、豊岡あたりではなかなか見ることは少ないですね。
コウノトリ号でもどうか・・と余談で締めくくっておきます。