名人戦も第2戦。そんなわけで整数問題をもうひとつ

将棋の名人戦の第2局が行われています。
そんなわけで、前回に引き続き整数問題を採り上げます。
Twitterの「整数問題bot」さんから流れてきた問題です。
2015年の九州大学の問題のようです。

p、qを異なる素数とする。 $$2^{p-1}-1=pq^{2}$$ を満たすp、qの組を全て求めよ。 2015年 九州大学

【解答】

左辺は、[2の倍数]-1であるので、奇数である。
pが偶数、すなわちp=2のとき、与式は

$$2^{2-1}-1=2q^{2}$$

$$1=2q^{2}$$

となり、qは素数とならず、pは2でない。

qが偶数、すなわちq=2のとき、与式は

$$2^{p-1}-1=4p$$

となり、左辺は奇数、右辺は偶数となるから、qは2でない。

したがって、p、qは、ともに奇数の素数である。

 

左辺について、pが奇数(の素数)であることから、これをp=2n+1とおくと、

$$2^{p-1}-1=2^{2n}-1$$

$$2^{2n}-1=(2^{n}+1)(2^{n}-1)$$

となる。

この変形により、

$$(2^{n}+1)(2^{n}-1)=pq^{2}$$

を得る。

考えやすくするために、いま整数Nが・・

$$N=(2^{n}+1)(2^{n}-1)=pq^{2}$$

という整数だと考えてみると・・

Nは、差が2である2つの奇数の積である。
また、Nを素因数分解すると、p×q^2となる。
したがい、Nの約数は、1、p、q、pq、q^2、pq^2である。

このことから、次の3つのパターンが考えられる。
$$|pq^{2}-1|=2…①$$

$$|pq-q|=2…②$$

$$|p-q^{2}|=2…③$$

①の場合、
$$pq^{2}=3、-1$$

で、p、qは題意をみたさない。

②の場合、
$$(p-1)=±\frac{2}{q}$$

で、p、qは題意をみたさない。

③の場合、
$$p=q^{2}+2$$ からは、p=11、q=3が成立。もっともこれは与式には当てはまらないが、ほかにあるかもしれない。
$$q^{2}=p+2$$ からは、p=7、q=3が成立。与式も満たす組み合わせだが、さらにあるかもしれない。

 

したがって、③の場合にのみ、解となるp、qの組み合わせが存在する。
すなわち・・

$$(2^{n}+1,2^{n}-1)=(p,q^{2}) or (q^{2},p)$$

まず、2^n+1=pのとき、p=2n+1だから・・(そもそも、そうおいたのだから)

$$2^{n}+1=2n+1$$

$$2^{n}=2n$$

よって、n=1,2。

n=1のとき、p=3。このとき与式の関係から、q=±1。
このqは素数ではないので、題意を満たさない。

n=2のとき、p=5。このとき与式の関係から、q=±√3
このqは素数ではないので、題意を満たさない。

 

次に、まず、2^n-1=pのとき、p=2n+1だから・・
$$2^{n}-1=2n+1$$
$$2^{n}=2(n+1)$$
$$2^{n-1}=n+1$$
$$2^{n-1}-n-1=0$$

n=3のみが成立する。

n=3のとき、p=7。このとき与式の関係から、q=±3
このうちの、q=3のみが題意を満たす。

 

以上から、題意を満たすp、qの組み合わせは、

p=7
q=3

である。

 

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