【問題】
$$\sqrt{6}が無理数であることを証明せよ$$
【解答】
ちょっとかわった方法で解いてみましょう。
そのために、先に一般論を述べておきます。
xの二次方程式
$$ax^2+bx+c=0$$を考えます。
a、b、cが整数でaが0でないとき・・。
この二次方程式が有理数解をもつのであれば、それは・・
$$\frac{【cの約数】}{【aの約数】}$$ の場合に限られます。
以下、その証明です。
この方程式の有理数解の一つをq/pとおきます。p、qは互いに素な整数です。
このとき・・
$$a\frac{q^2}{p^2}+b\frac{q}{p}+c=0$$
両辺にp^2をかけると・・
$$aq^2+bpq+cp^2=0$$
1項目と2項目はqの倍数です。となるとcp^2もqの倍数でなければなりません。
なぜなら・・移項してみると分かりやすいですが・・・
$$aq^2+bpq=-cp^2$$
左辺はqの倍数ですから右辺もqの倍数ですね。
そして、pとqが互いに素であることから、cがqの倍数であるといえます。
同様に、2項目と3項目がpの倍数であることから、aがpの倍数であることが分ります。つまり・・・
cはqの倍数。
aはpの倍数。
言い換えると・・
qはcの約数。
pはaの約数。
始めにおいたxの有理数解はq/pでしたから・・
$$\frac{q}{p}=\frac{【cの約数】}{【aの約数】}$$
が言えました。
※より高次の方程式においても同様に考えることができます。注目すべきは最高次の係数と定数項です。
さて、そこで問題に戻りましょう。
$$\sqrt{6}が無理数であることを証明せよ$$
というものでした。
√6はxの二次方程式・・
$$x^2=6$$
の解です。
上の証明を利用するために変形してやると・・
$$x^2-6=0$$
上記の証明と照らし合わせると・・
$$a=1,c=6$$
aが1なので、この2次方程式が有理数解をもつのであれば、それは・・
$$x=±1、±2、±3、±6$$のいずれかということになります。
一目瞭然。いずれも方程式を満たしません。
つまりx^2=6は有理数解を持たないことが分りました。
そんなわけで√6は無理数、ということになります。