【問題】
1<x<2とする。
xの小数部分とx²の小数部分が等しいとき、x³の小数部分を求めよ。
インターネットのどこかで見かけた問題です。
【解答】
x=1.234なら、その小数部分は0.234ということになります。
問題文の様子が分かりづらいときには、このように具体的な例を挙げてみると良いでしょう。反面、自らが挙げた具体例に意識を引っ張られ過ぎることがあるので注意も必要です。
例えば、この問題の状況の場合、x=√2ということもあり得ます。
その場合、
$$1=√1<√2<√4=2$$
であることから、小数部分は
$$√2-1$$
となります。小数っぽく表すと0.41421356・・・ですが、√2は無理数ですのでこの表現では正確に書き表すことができません。したがって、√2‐1と書くよりありません。およそ小数を表しているとは思えないような外見ですね。
さて、本格的に問題に取り組んでいきましょう。
1<x<2とありますから、xの整数部分は1です。
xの小数部分をaとおくと
$$x=1+a$$
となります。
x²については、
$$1<x<2$$より
$$1<x²<4$$となります。
x²の小数部分はxの小数部分であるaと等しいのですから、
$$x²=1+a・・・①$$
$$x²=2+a・・・②$$
$$x²=3+a・・・③$$
①、②、③と表現できる可能性がある、といえます。
一方、
$$x=1+a$$とおきましたから、
$$x²=a²+2a+1・・・④$$です。
以下、順番に調べていきます。
①と④より、
$$a²+2a+1=1+a$$
$$a²+a=0$$
$$a(a+1)=0$$
$$a=0,-1$$
ただし、aはxの小数部分であるので、
$$0<a<1$$
ですから、a=0、-1は、aの値として不適です。
つまり、本問では①の状況になることはない、というわけです。
同様に③と④からは、
$$a²+a-2=0$$
を得て、
a=1、-2 となりますが、これも不適となります。
②と④からは、
$$a²+a-1=0$$
を得ることになり、
$$
a = \frac{-1 \pm \sqrt{5}}{2}
$$
ただし、0<a<1であるので、
$$
a = \frac{-1+\sqrt{5}}{2}
$$
となります。
√5の整数部分が2であることは、冒頭の√2の整数部分が1であることを確認するのと同様の方法で分かります。
つまり√5=2.○○○○・・・です。したがって、±のうち-を採用すると、0<a<1に反することになってしまいます。
ここまでの内容をまとめると・・
$$x=1+a=1+ \frac{-1+\sqrt{5}}{2}$$
$$x²=2+a=2+ \frac{-1+\sqrt{5}}{2}$$
であるので、
$$x=\frac{1+\sqrt{5}}{2}$$
$$x²=\frac{3+\sqrt{5}}{2}$$
ここで、
$$x³=x×x²$$
ですから、
$$x³=\frac{1+\sqrt{5}}{2}×\frac{3+\sqrt{5}}{2}$$
$$x³=2+\sqrt{5}$$
となり、x³の小数部分は、√5の小数部分と等しいことが分かります。
したがって、本問におけるx³の小数部分は、
$$\sqrt{5}-2$$
です。